日本のシェアリングエコノミーは停滞期に入るも、着実に国を良い方向に変えている

2018.10.05

 

2017年の調査によると、アメリカの労働者の大半は2027年までにフリーランスになると見られている。日本では現在、フリーランスの数は1000万人と推定され、2030年には350万人増えると予測されている。

 

このようなライフスタイルの変化の結果、私たちの働き方はこれまで以上に分散化する。ギグエコノミーやシェアリングエコノミーだけが規範となるだけでなく、私たちが働く場所、方法、そして理由も、多様になっていくだろう。

この大胆な新世界は、クリエイターやイノベーターにとって、新しい、より分散したプラットフォーム・製品・サービスを創造するための数多くの機会を提供し、新しい価値・ネットワーク・エコシステムを実現する。

 

――これらはTech of Asia Tokyo 2018にて、ランサーズの創設者兼CEOである秋好 陽介氏、WeWork Japanのジェネラルマネジャーである髙橋正巳氏、一般社団法人シェアリングエコノミー協会のジェネラルマネジャーである石山アンジュ氏によって語られたテーマの一部である。

 

「我々は、クラウドソーシングとシェアリングエコノミーが存在しなかった10年前に事業を開始した」と、秋好氏は語った。
ランサーズの初期の時代、彼のチームは、オフサイト会議やマネジメントブートキャンプ用のホテルなどのスペースを予約したいときに、旅行代理店のような第三者に頼らなければならなかった。

今日では、コワーキングスペースを提供するWeWorkやランサーズのようなクラウドソースされた業務プラットフォームの出現により、企業の柔軟性は増している。

 

あまりに早くピークに達したのか?

 

しかし、日本でシェアリングエコノミーが主流となっている状況を見て、将来の見通しに疑問を抱く人もいる。
秋好氏は、「典型的な産業成長のパターンを考えた場合、物事が平準化される前の早い段階で急速に発展することは、よくあることです。国内でのシェアリングエコノミー産業は、停滞期に達していると思います」と指摘した。

高橋氏は、”シェアリングエコノミー”を構成するものの定義はまだ確定していないと述べる。たとえば、WeWorkは共有スペースを提供しているが、これらの空間でアイデアを共有することもあり、それが新たな製品、サービス、および方法を生み出す。つまり、WeWorkは空間を借し出しているだけでなく、エコシステムを提供しているのである。

さらに、コワーキングスペースの提供者は日本において、コミュニティ主導のイベントで成長を見てきた。すべての職業、年齢、産業の人々を含む、参加者の人口統計は非常に多様であると高橋氏は主張している。

日本人は恥ずかしがり屋であるとはいえ、アークヒルズのWeWorkでは、共通エリアでコーヒーやドリンクを楽しみながら話し込んでいる人を見つけることは珍しくない。機会さえあれば、率直で開放的であることを日本人も表現できることがわかった。

 

ギグエコノミーのためのサービス

 

ギグエコノミーは、ライフスタイルや働く場所―人々の社会的地位やお金の流れなどの分野に影響を及ぼすもの―、に変化をもたらすだろう、と石山氏は述べる。

現在、人々の社会的地位は、雇用者または会社の知名度と結びついている。たとえば、自宅を住宅ローンで購入する場合、信用格付け機関や銀行などの機関に頼らざるを得ない。

ランサーズの主な中心は仕事と才能のマッチングであるが、同社は最近、この問題に対処するために金融サービスに移行してきた、と秋好氏は述べる。

「日本では、フリーランスは通常、良い信用格付けを得ることができないんです」と彼は言う。「良い会社に就職していた人がフリーランスになれば、期限切れになった際に賃貸期間を延期することはできないのです」

ランサーズは、銀行よりも強固で広範なユーザーデータベースを基に、そのような個人をサポートする特定の信用格付けサービスを提供している。

 

満足のいく労働者

 

高橋氏は社会的、心理的利点だけでなく、その経済的利点によって、最終的にコワーキングやその他のギグ・エコノミック・フォーマットの明るい未来を予測している。

「最終的には、仕事で享受することができる情熱や幸福のレベルについて自分自身に尋ねなければならない時が来るでしょう」と彼は言う。そうしたポジティブな感情は、日本の都市部の伝統的なサラリーマンには不足していると述べる。

高橋氏は、世界的な調査結果を挙げて、人々の仕事に対する情熱のレベルについての意見に言及する。「日本では、6%の人々しか仕事に情熱を持っていないが(70%は無関心である)、米国では30%を超えています」と述べた。

彼にとって、仕事を完成させたり、新しいことを学んだり、さまざまな人々と出会ったりすることは、達成感を感じられることだ。それは、より柔軟なシェアリングエコノミー空間やプラットフォームで得られる。

秋好氏は、人々がフリーランスになることを選択した主な理由は、「彼らは自由を持ち、自分らしくいられることを望んでいる」と付け加えた。そしてあなたが自分らしくいられるようになったとき、あなたは高いレベルの情熱を達成することができる、と。

 

―この記事は、2018年9月20・21日に開催されたTech in Asia Tokyo 2018のセッションの一部です。

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